彰の気まぐれ日記:Akira Note

FUMIO YASUDA「SORA」

FUMIO YASUDA「SORA」に寄せて

安田芙充央さん。
とても尊敬する作曲家でありピアニスト。いや尊敬というよそよそしい言葉で語ってはいけない。
僕は昨年リリースされた『凛』という安田芙充央作品集で2台のピアノに参加させて頂き、日本プロ音楽録音賞「ベストパフォーマー賞」という素晴らしい賞を受賞した。大好きな先輩ピアニストであり、おこがましいが同志であり、友人であり、しかし遠い存在の偉人だ。そういった意味で本当に尊敬している方だ。
のっけから熱くなってしまったが、冷静にせねば。

安田芙充央さんの音楽との出会いは、もう15年くらい前かもしれない。僕は写真を撮るのが趣味で見るのも好きだ。森山大道、中平卓馬、細江英公と共に荒木経惟アラーキーさんも好きだった。そんな訳でArakinemaのDVDを手に入れその写真と共に物凄い世界観で作品に凄みというか異彩を放っていて虜になったのが、「安田芙充央」という名前だった。それから月日は流れ、コロナ禍の頃Facebookで友達申請が来た。その名は安田芙充央さん。驚きと嬉しさで舞い上がってしまった。それを機に、その頃やっていたyoutube「譚歌チャンネル」にゲストとしてお招きする事となり初対面のその日に共演を果たした。それは夢のような時間だった。その後、とんとん拍子に話が進み2台ピアノでレコーディングをする事に誘われ、『凛』が生まれた。そのレコーディングは綿密に書かれた非常に高度な技術がなければ弾くことができないような孤高の曲の数々。本当にスケッチだけで自由にやって良い曲など、初めての経験ばかりでやり甲斐しかないし、全てを録音に注ぎ込んだ貴重な時間だった。おっと、また熱くなっている。いかんいかん興奮して動悸が早まっている。

そんな安田芙充央さんの新作が手元に届いた。
FUMIO YASUDA「SORA」
POURQUOI LABEL
POUR-1012

メンバーを見ると、
Fumio Yasuda : Piano, Melodica, Keyboards, Percussions
Joachim Badenhorst:Vocals, Voice, Clarinet, Bass Clarinet, Tenor Sax
Akimuse:Vocals
Nobuyoshi Ino:Acoustic Bass
Dogen Kinowaki:Flute, Alto Flute
Takako Hagiwara:Flute
Asian Art Strings:Strings (Violin I, Violin II, Viola, Cello)

曲のリストは、
1. SORA
2. Sky Lament
3. Fitari
4. Blady
5. Intolerance
6. Lost Era
7. Gig on the Stairs
8. Light in Ruins
9. A Mom’s Place
10. Mahoroba
11. Lucrezia

となっている。
参加ミュージシャンは2019年のアルバム「Forest」のメンバーに2本のフルートと弦楽四重奏が入っている。
「Forest」のサウンドは極めて繊細で危うい、そして力強く美しく、そして儚い音楽で愛聴していた。

ドキドキしながら1曲目表題の「SORA」。
退廃的な美しさを持つビート、様々なノイズのコラージュ。その影からまさかのJoachim Badenhorstのボーカルと空間を切り裂くようなクラリネットの音。そして安田芙充央のMelodicaとアブストラクトなピアノ。その暗の現生世界には明の浄土世界Akimuseのvoiceとstringsが見え隠れする。混沌の世界。カオス。
地上のノイズが消え、明と暗が徐々に重力を無くしくっきりと姿を濃くし、ゆっくり上昇して行く。やがて天界にだけ存在するかのような観音菩薩が蓮の池の佇む世界観が現れる。

「SORA」は空~KU~とも読める。無我や無常の意を表す。この「無と有、否定と肯定」の対比が壮大に表されているのではないかなと筆者は勝手に解釈して聴いた。
思えばアラーキーさんの作品にも「空」がある。死と生のテーマに根源的に向き合っている。
安田芙充央さんの中にも同じ物があるのだなと思う。そして両者は惹かれあって芸術が突発的にスパークしたのだと思っている。「SORA」というワードはとても安田さんにとって重要なのだろう。

2曲目の「Sky Lament」もそうなのだ。空の哀歌。おそらく「SORA」は「Sky Lament」の異形の曲なのではないだろうか。静かな平穏な和音、メロディーは空に登って行くにつれ狂気を帯びてくるClarinetとのimprovisationの後、テーマが戻って来るが初めのテーマより長2度上げられている。二度と同じ世界には戻って来れない。違う人生を生きる為に。

「Fitari」は2つのFluteとオルゴールのような音とピアノで軽快に弾むように奏でられる。
音階的には殆ど琉球音階だが沖縄色は感じない所が面白い。それはある意味メロディの作られ方が機械的シーケンサーで演奏したように感じられるから。それを人力で演奏している木ノ脇道元さんと萩原貴子さんの技量が超絶だからだろう。

「Blady」とはどういう意味だろう。ポーランド語では「青白い」といった意味があるが。。。
本人に聞くとはぐらかされそうではあるが。もし合ってるとしたらまた安田さんの大切なワードであろう「青」だ。名作「Hevenly Blue」の中の表題曲、大好きな曲「Blue Ruins」、「Blue Era」、「Blue Gallery」などまだあるのではないかな。青空の青とは違う青な気がするのは気のせいか。
この曲はSlow BossaのテイストだがPiano、Clarinet、Bassのシンプルな曲かと思いきや、その裏に低い控えめな音で主張するOrgan、Stringsのアバンギャルドな響きがたまらない変態感を出している。これだな安田さんの美学は。
以前こうおっしゃった事があった。「好きな音楽は、あられもなくロマンチックなもの」
安田さんのロマンティックは甘く危険な香りのする麻薬のようなものだと思う。

「 Intolerance」不寛容。不思議なエレクトロニクスなシーケンスの上でAkimuseさんの気まぐれな女性を象徴したかのように聞こえるvoiceが印象的。女性が不寛容な世間を嘆いているのか、こういうタイプの女性は不寛容だ!と振り回されている男性が嘆いているのか?

「Lost Era」失われた時代。異次元からの響きのようなStrings、Bass Clarinetの叫び、そこに打ち込まれるPianoの毅然とした和音の響き。安田芙充央さんの独壇場。この一見相容れないもののミクスチャー。これだ!The 安田芙充央!

「Gig on the Stairs」はアルバム「花曲」ではErnst Reijseger(cello)とサンプリングされた
Accordionとの自由な会話だったが、そのサンプリングされたパートはPianoに代わり、井野信義さんのBassとJoachim BadenhorstのClarinetの対話となった。

「Light in Ruins」廃墟の中の光。どれくらい昔の事だっただろう。まだこの建造物の中で静かにPianoが奏でられていた平穏な時があった。そして何かの騒乱に巻き込まれ廃墟となってしまった古の建造物に静かに足を踏み入れると、差し込む光の中に昔の平穏が幻のように現れるのだった。そこには長く静かな時間の流れがあった。
こんな想像をさせる安田芙充央さんの曲とPianoのタッチは本当に素晴らしい。

その屋敷にはママがいつもいる場所があった。ママの名前は”Monique”。優しく可憐なママはどこかミステリアスな面もあった。僕にふと見せる横顔には寂しさなのか哀しみなのかわからない表情が薄く滲み出ている。僕はママにふと尋ねてみる。。
こんな物語を想像してしまう「A Mom’s Place」大好きです。

「Mahoroba」安らぎを感じる場所。Flute3声とシンプルなPianoで奏でられる。
こういう淡々と自然のように流れるメロディにも安田さんの優しさ、凛とした佇まいが感じられる。「Song of Nenna」のように。

そして「Lucrezia」 
「Der Kastanienball」というオペラの為に安田芙充央が作曲したアリア。凌辱された美しい王女の嘆きの歌。この悲しくも美し過ぎる曲がPiano Soloで奏でられるとは。アルバム「Hevenly Blue」の中で弦楽オーケストラとSolo Violinで演奏されたバージョンも好きだが、最も好きなバージョンができたなあ。。。以前にこの曲が死ぬほど好きですと安田さんに話した事覚えていてくださったのかなあ。。と図々しいことも頭をよぎる。
単にピアノソロなだけでなくオーケストレーションされたそれぞれのパートが音色の変化を付けながら絶妙な奥行き、陰影を描く。
アルバムの締め括りがこんなに切ない気持ち、込み上げてくるものがあるのに。。すっきりと終われない。そうだもう一度聴かなきゃ!!
安田芙充央さんはご自身の死生観、狂気を帯びたロマンティシズム、センチメンタル。アバンギャルドな精神。優しくも厳しい信念。これらを持って音楽をされている事は実際にヒシヒシと感じる事があるが、このアルバム「SORA」では、それぞれのバロメーターが振り切っている。
明るくハッピーなアルバムでは決してないのに、この気持ちの良い幸福感はなんなのだろう。
自分の深層心理に無意識に語りかけられ、それに気づかされる事によって動揺し、喜びと悲しみの間で悶絶する自分がいる。危ないのに近づきたくなる。甘い毒。理性が吹っ飛んでいく感じ。
これが安田芙充央さんの魔力なのか。
凄いアルバムを聴かせて頂いて、また勇気が湧いてきた。ありがとうございます、安田さん!!!

霜月~所感。

怒涛の1ヶ月が終わりました。色んなことがありました。柊というユニットがツアーを終え解散となりました。長きに渡りチャレンジしてきましたが、区切りをつける時が訪れたのでしょう。悔いはありません。

石井智大(vn)とのユニット『石井家Duo』の九州ツアー、今年もみのり多いものとなりました。新作『Quiet Scheme』というCD写真集を携え(アルバムはライブ会場でも通販でもご購入頂けます)、福岡「bar柑」、熊本「ラフカディオ・ホール」、鹿児島「リモネアホール」の3ヶ所公演。9月の終わりにポーランドのクラクフで行われた世界的なジャズバイオリンのコンペティション「Zeifert Competition」で第3位を獲得して来た智大は一回りも二回りも逞しく頼もしいプレーヤーに成長したと感じるプレイを各地で繰り広げました。Duoの音楽は繊細さと大胆さと自由度がどんどん加速するような気分を存分に味わっています。そして今月頭に智大は結婚パーティーを開催し、新しい門出を迎えました。父として幸せな事です。二人の幸せを願い、その平和な気持ちで11月をゆっくり過ごします。気がつけば肌寒い空気。さらに新しい気持ちで前に進んで行きます。

ライブは少なめに、制作活動を中心にして行きたい。これが自分の今の身体の状態を鑑みた最良のやり方だと考えています。youtubeの動画アップもどんどん行きますよ〜皆様チェックしてチャンネル登録よろしくお願いします。
『Akira Ishii 石井彰チャンネル』

そして、関西時代からの旧友ベーシストの山田良夫さんとのレコーディングが始まりました。こちらは時間をかけて丁寧に仕上げて行きたいと思っています。素晴らしいプレーヤーをゲストに迎えて私達のオリジナルによるアルバムを作ります。乞うご期待です!

来年には北海道在住の写真家岩崎量示さんとのコラボ作品を作る計画が進んでいます。素晴らしい「タウシュベツ橋梁」を題材にした作品です。彼は長年、朽ち果てていく幻の橋を撮り続けている方。

そして、2月に録音してある『Quadrangle』の初の作品!!これがリリース元のレーベルの事で時間がかかっており、なかなか前に進んで行きませんが、皆様に聴いて頂きたいの一心で続けています。

さて、9月に第一回目を行った企画『Bill Evansとの対話』は、11月16日土曜日に第二回目を行います。
今回のテーマは「Billシェフ至高のスタンダードアレンジのレシピ」と題しまして、Bill Evansを語るには避けて通ることのできない、スタンダードアレンジ法を色んな角度から見つめ、その魅力的な秘密に迫りたいと思います。ぜひ聴きにいらして下さいね。

11月16日(土)世田谷用賀「工房花屋」
石井彰Solo Piano
『ーBill Evans との対話ー
vol.2 Billシェフ至高のスタンダードアレンジのレシピ』
15:00 open 16:00 start music charge \4400(税込)(別途 2オーダー)
東京都世田谷区上用賀5-8-11
TEL 03-3700-0872 MAIL hanaya5811@gmail.com

今月はライブが3回あります。

11月10日(日)茅ヶ崎「ハスキーズギャラリー」
『石井彰 Solo Piano ~週末ジャズと茅ヶ崎ビールのアフタヌーン~』
13:30 open 14:00 start 予約¥3,500(1drink付き)
TEL 0467-88-1811 MAIL kato@huskys-g.com

11月30日(土) 世田谷用賀「工房花屋」
石井彰(p) 太田剣(sax) Duo
open15:00 start16:00
music charge \4400(税込)(別途 2オーダー)
東京都世田谷区上用賀5-8-11
TEL 03-3700-0872 MAIL hanaya5811@gmail.com

これからは静かで平和な気持ちで音楽を奏でて行きたい。
そういう気持ちでyoutube動画を作りました。ぜひご覧下さいませ❣️
『Peace Piece』~平和のかけら~という曲です。

Bill Evans

葉月。

音楽家としての活動を始めて40年近く経つが、これほどまでに時間に余裕があるのは初めてではないかな。昨年今年と人生の転換期であると思えるような事が次々と自分に押し寄せている。
持病である「球脊髄性筋萎縮症」と宣告されて8年。嚥下力低下防止の薬の投与以外はこれといった治療がないので、筋力保持の為の日々のリハビリを続ける毎日。進行は遅いのだとは思う。気をつければ日常生活は普通に送れるのだからラッキーです。けど、不注意というか病気の為、膝が抜けて転倒が怖いのだ。

4年ほど前には高い段から後ろ向きに転倒した事がある。その時、背中にソフトケースに入ったキーボードを背負っていたので、それがクッションとなって後頭部を直接打つのが避けられた。肋骨を1本折るに留まった。3年前にはコンビニの前で足がもつれ肩から転倒し鎖骨をポッキリと折った。この2月は階段昇っている途中で膝が抜け、頭から落ち瀕死の重傷を負った。

こんな目に何回も遭いながらも、こうして生まれて60回目の夏を過ごせているのは超ラッキーな事!!!
儲けものの人生だ。

前置きが長くなってしまいました。今回の事故で生まれて初めて手術を2回も経験し、40日の入院生活があった。音楽家としてピアニストとして、これからやって行けるのか、何をやって生きて行けばいいのか、めちゃくちゃ考える時間があった。そして、いくつかこれからの人生の新しいビジョンを思い描いている。
また長い模索の期間が要るようだが、後ろ戻りすることはあり得ないのだ。とことんやって失敗したのならまた違う事を考えれば良い。それだけのことだ。

やっと本題。

僕はジャズを志すきっかけとなったのは18歳の頃、Bill Evansに出会ってからだ。その衝撃は凄まじく、
若気の至り、バカな10代の脇目もふらず突っ走り、目標は「Bill Evansになる事!!」だった。アホやなwww
演奏の経験を重ねて行くと真似しているだけではただのアホだと気づく。いったんBill Evansを聴いたり研究するのをやめた。Keith Jarrettに出会ったり、Bud Powell,Phineas Newborn Jr,Duke Ellington,Hank Jonesなどの黒人ピアニストにも目が向き始めた。無節操と言われるかもしれないが、自分がグッときた物を貪欲に求めた20代前半だった。そして上京。

オリジナリティを追求し、作曲も始めたり、同年代の仲間達との切磋琢磨、大先輩からの薫陶を受け刺激的な音楽生活だった。そして、日野皓正さんと出会い、音楽を通して人間としての大切なことを考えるようになる。内面が無いのに上辺の事ばかり追求しても意味が無いんやなと。
それから自分の音楽観はどんどん変化して行ったように思う。

数年前に映画「Time Remembered」が日本上陸して小さな映画館で上映された。Bill Evansのドキュメンタリー映画だ。そこでの演奏、つまり映画館で上映後のスクリーンの前でライブをするのだ。こんなプレッシャーはない!!Bill Evansはいくらやろうと思っても自分の中から追い出す事はできない。だからこそ、ライブハウスで「Evans特集」的なものはやらないようにして来た。思い出せば1回はある。そういう時は、普段ないほどの沢山のお客さんが来る。僕のせいじゃあない。Bill Evansの人気があるだけだ。その人気にあやかって「Plays Bill Evans」をやるのを自制してきた。もう何十年もだ。忘れていたのだ、、自分のルーツを。
映画後の演奏の仕事を頂き、向き合わざるを得なくなった。Bill Evansも自分の内面と向き合い魂の音を奏でていた。当たり前のことを再認識することとなった。若い頃に聴いていたが聴こえていなかったBill Evansの内面にやっと近づけたような気がした。

僕のこれからの人生でやらなければならないと勝手に思っていることの一つは、Bill Evansを真正面から向き合うことだ。当然だがBill Evansの音楽を奏でるのは難しい。精神的にもテクニック的にも。
病気のおかげで筋肉の動きはコントロールが効かなくなって来ていて、自分のテクニックは半分以下だ。
元々テクニシャンがウリのピアニストではないので(笑)相当ヤバい。。。それは十分自覚しているのだ。
だからこそ、この事を思い付いたのだ。人生、後悔しないようやれる事はやっておこう!!

という長い経緯を書きましたが、題して『Bill Evansとの対話』というソロでのライブをシリーズで毎回お題を決めて行います。何回続くかはもちろんまだ未定ですが。。

第1回目は9月7日(土)。場所は世田谷用賀の「工房花屋」さん。全面的に賛同して下さりました。
第1回目のテーマは「Billが愛した人達」。このタイトルから色々と想像が膨らむ事と思いますが、ここでは明かさないようにしましょう。自らの考察も含めて興味深いマニアックかつ面白いエピソードも。
この企画を発案してからBill Evansの聴き方もより深くなったようです。

石井彰 Solo Piano 『Bill Evansとの対話』 vol.1 「Billが愛した人達」
9月7日(土) 16:00 start 16:00 start music charge \4,000
『工房花屋』
世田谷区上用賀5-8-11
03-3700-0872
hanaya5811@gmail.com
https://www.koubou-hanaya.com/

再スタートの年。

2024年最初の投稿がこんなタイミングになってしまいました。。
これを読んでくださる皆様、どうもありがとうございます。お元気でいらっしゃいますか?

前にも書きましたが、『Quadrangle』 石井彰(p)石井智大(vn,vc)水谷浩章(b)池長一美(ds)
のレコーディングを2月21日に横浜「ランドマークスタジオ」にて行いました!!
メンバー全員のオリジナル曲で構成された渾身のアルバムを録音できたのは念願でした。
さあ、この大切なカルテットで音楽を表現して行こう。自分の理想とする表現、サウンドを自分の体調にあった方法でやって行こう!!

こんな風に順風満帆で滑り出した『Quadrangle』の船出でした。

が、レコーディングの二日後にアクシデントが。。。私は、ある建物内の階段から転落し、重傷を負いました。
詳しくは書きませんが、2回の手術と約40日の入院でした。退院後、なかなか元の生活、体調には戻りませんが、ライブを少しづつ再開できるまで回復して来ています。

入院中は、もし二度と音楽ができない状態になってしまったら。。という不安、漠然とした将来の不安に苛まれましたが、持ち前のポジティブなマインドでリハビリもこなし、復帰できたという幸福感で一杯です。

録るだけ録って、全ての作業が止まっていた『Quadrangle』のレコーディング、昨日から再始動です!!
フォトグラファーの竹下智也氏との打ち合わせ、レコーディングエンジニアの松下真也氏のスタジオでのミックス作業。自分の責任においてやらねばならぬ事は山積み。しかし、これは楽しくやり甲斐のある作業です。
録音した音はしばらくは聴ける状態ではありませんでしたので、スタジオで音を聴いた時に「音は死んでいなかった!自分も生きている!」という感動に包まれました。約3ヶ月の間放り出したままになっていた『Quadrangle』の音はまた動き始めました。前より輝きを増して!!

これまでリーダー作を出していたのは、esat works enterteiment ,Studio TLiveという二つのレーベル、制作会社。全ての事務的作業をお任せしていたので、それを全て自分でやるという責任。人がやれるなら自分もやれる(という無謀な信念)という強い意志を持ってやり遂げる!!!そう思っています。

遅くとも秋までには様々な事を発表できるようにしたいと思います。
皆様是非応援して下さい。
60歳の再スタートです!!

2023年から2024年へ。

今年もあと12時間を切りました。このBlogも更新がまばらになっておりますが、読んで下さり
有り難うございました。Facebookの投稿がメインになっておりますが、この私的Blogは更に踏み込んだ内容になっていく傾向がございますので、たまに覗いてみて下さいね。

振り返ればこの一年、波瀾万丈のスタートでした。正式には何の発表もしませんし、ありませんでしたが、突然のYoutube『譚歌チャンネル』及び『譚歌Duo』の活動停止、『Boys』とそれにまつわる活動の停止。
ここまで書けば(これを読んで下さる皆さんはとっくにお気付きでしょう)何があったのかは容易に想像出来ることと思います。詳しい経緯は胸にしまっておきますが、Basistの金澤英明氏との信頼関係が切れました。長年に渡り築き上げた関係でしたが、案外脆いものだった。。。。
今年の1月2月は大変苦しみました。ストレスで体調も崩れました。徐々に夏頃からは邪念やストレスから解放されて行きました。いま現在は何の蟠りもなくこの話題に触れられるようになりました。

結果、音楽的環境はスッキリとまとめ上げられ、自分の体調に合わないスケジューリングが改善され、やるべき事、これからの人生目指すべき事の焦点がクッキリと見えてきたのです。

この一年での大変革は偶然の事とは思えないのです。今年還暦を迎えました。持病であります「球脊髄性筋萎縮症」の病状はゆっくりではありますが、進行して脚への影響はかなりのものがあります。
この病のため、激しい演奏、以前は大丈夫だった連日の演奏は身体へのダメージが大きくなりました。
天からの啓示でかなり荒い変革ではありましたが、この状態になったのだと思っています。
まずは身体が基本。いうこと聞かなくなってきた身体を酷使して音楽家寿命を縮める訳にはいかない。
あと20年はあるであろう人生の事を考えれば演奏のペースダウンは必須だったのです。

『Quadrangle』 石井智大(vn,vc)水谷浩章(b)池長一美(ds)
『Tales of Another』 瀬尾高志(b)芳垣安洋(ds)
『12本の弦と5人の男』 定村史朗(vn)石井智大(vn,vc)瀬尾高志(b)芳垣安洋(ds)
『石井家』 石井智大(vn,vc)石井彰(p)
『Three Wisdoms』 小林真由子(箏)定村史朗(vn)
『Chamber Music Trio』 須川崇志(vc)杉本智和(b) (現在活動休止中)

『ECHO』 吉田美奈子(vo)安田芙充央(p)
『柊』 吉田美奈子(vo)森俊之(key)石井智大(vn,vc)吉野弘志(b)
『DUET』 吉田美奈子(vo)石井彰(p)

焦点が定まって来たとはいえ、これだけのユニットを牽引したり、参加させて頂いたりしていてビックリ笑!!

『Quadrangle』 は来年レコーディングを計画しています。純粋に自分のリーダーユニットは現在これに重きを置いていますので、勝負に出ようと思っています。しっかりとした物を作り世界にアピールできるよう頑張りたい!!これがまず第一の来年の目標です。

そして吉田美奈子さん。自分が若かった頃ジャズにのめり込む前によく聴いていたカリスマシンガーとここまで近しい関係が築けるとは予想だにしなかった事。
熊本震災チャリティーのレコーディングでアレンジを提供した時から今日に至るまでの関係性は瞬く間に夢が現実となった。美奈子さんの深く慈愛に満ちた音楽の世界は、正に僕が理想とする音楽の在り方に他ならない。今ではジャズ、ポップスに関係なく真の音楽を心から演奏するなくてはならない存在。

僕は今、とても幸せなのだなあと実感しています。自分が心から尊敬できるこんな素晴らしいミュージシャンと音楽できるなんて!!!!!

そして今年出来ればいいなと思っていることはソロコンサート。一人で無になってピアノに向かう時間。
これは最後まで大事にしたいライフワーク。

なんだ!!来年はいい事だらけではないか!! 
自分が大切にしている事だけに全力を尽くす。これが焦点。シンプルな事だ。

長々とした独り言を読んでいただきありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。
皆様が健康で良い年になりますように。

『凛-RIN-』が賞を頂きました!!!

この度「第29回 日本プロ音楽録音賞2023」で、安田芙充央さんの2台ピアノ作品集『凛-RIN-』より「AMESA for Two Pianos」の演奏が、「ベストパフォーマー賞」をいただきました。安田芙充央さんがバーゼル室内管弦楽団に書いたオーケストラ曲を二つのピアノの為に再構築された曲です。この賞は音楽を発表された作品の中から録音エンジニアに対して審査が行われるものですが、毎年その候補作の中からパフォーマーも選ばれるものです。
このアルバムを録音するのに昨年4月と9月に分けて計4日間を要しました。このデュオの試行錯誤に至るまで、youtubeチャンネルでの出会いが無ければあり得なかった事。もっと遡って言うならば、僕は写真家アラーキー(荒木経惟)さんのDVD作品をいくつか見ていたところ、BGMにしてはあり得ないような魔力を感じ、エンドロールに流れる「安田芙充央」と言う名前を心に大切にしまっておきました。
ある日、Facebookにご本人から友人申請が来た時は心底驚きました。安田さんは僕の事を、亡くなったテナーサックスの井上淑彦さんから聞いていたのだと知り、こんな形で縁というのは繋がって行くのかと何かしら見えない力を感じたのでした。

『楽曲は極めて稠密に書いた部分と、まったく即興に任せた部分から成り立っており、その距離感や目の前の音の風景をどう捉えるかが演奏の鍵でありました。単に演奏しただけでは成り立たない音の本質的な流れを、内面から表現できたのではないかと思っております。また、今回の録音を通じて、俯瞰的に見ながらも細部に本質は宿る、ということを思い知りました。両者が独立したパフォーマーとして存在する中で、さらに他者との音の河を見据えていけば、見たことのない風景が静かに広がっているかも知れません。今後は、世界中に一つしかない何かを表現していければ良いと思っております。』(安田芙充央さんの受賞コメント)

僕はジャズでの受賞は初めてのことです。尊敬する安田さんとの初めての出会いから『凛』が作り上げられる過程において多大なる影響、学びがありました。そして吉田美奈子さんとのECHO発足と、この事から始まった音を追求する旅への扉が次々と開いて行くのを日々実感して居ります。

これからも自身の音楽に深みと煌めきを求めて精進して行く所存です。光栄な賞を頂き有り難うございました。そして、この作品のプロデューサー榎本憲男、録音の樽岡大志、調律の早川忠光、カバーフォト撮影の石井智大の各氏に御礼申し上げます。https://sites.google.com/・・・/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

DUET ツアー決定!!

今年もあっという間に後半戦へ。夏は大好きな季節。うわ〜とか言いながら流れ落ちる汗を拭い、太陽のパワーを頂く。冬眠で固まった筋肉がギシギシ動き出す季節。
ただ歳の事を忘れて自分の事を過信するのはいけないのです。熱中症には細心の注意払いながら夏を楽しみます。

さて、『柊』、『ECHO』と吉田美奈子さんとの音楽の一端を担ってきたここ数年。遂にDUETが本格始動します。まずは8月11日、12日の新宿『Pit Inn』 2Days。そして11月にはツアーが決定しました。

DUET
吉田美奈子 & 石井 彰

吉田の楽曲「凪」や石井の楽曲「肩越しの夜」等、二人のオリジナルと世界中にある美しいカバー曲を織り交ぜ、ジャンルレスで極上な音楽を目指します。

出演:吉田美奈子(Vo)  石井 彰(Pf)

11月1日(水)
浜松 ARTFORME 田町サロン
   (ARTFORME 田町1F)
開場18:30 開演19:00
前売6,500円 当日7,000円 1ドリンク付 
問合せ・予約:053-455-0808/ tamachi@maru8asset.com

11月2日(木)
名古屋 Mona PETRO -モナペトロ-
開場18:00 開演19:00
前売6,500円 当日7,000円 別途 2order
問合せ:052-684-9860
https://monapetro.jp/

11月5日(日)
熊本 ラフカディオホール
   (熊本市・紅蘭亭下通本店6F)
開場18:00 開演18:30
前売7,000円 当日7,500円 1ドリンク付
問合せ:090-8415-5950
https://www.kourantei.com

11月6日(月)
博多 Gate’s 7
開場18:15 開演19:00
前売6,500円 当日7,000円 別途ドリンク代600円
問合せ:092-283-0577
チケット発売:Gate’s7店頭 7月22日(土)〜
       ぴあ(Pコード248-155)7月29日(土)〜
*チケット記載の整理番号順入場(店頭チケット優先)
http://www.gates7.com/

11月8日(水)
大分 BRICK BLOCK
開場18:30 開演19:00
前売6,500円 当日7,000円 別途ドリンク代600円
問合せ:097-536-4852
http://www.b-block.net/

11月11日(土)
神戸 100BANホール
開場19:00 開演19:30
前売6,500円 当日7,000円
問合せ・予約:hall@100ban.jp / 078-331-1728
http://www.100ban.jp/posts/events/

11月13日(月)
大阪 Music Club JANUS
開場18:00 開演19:00
前売6,500円 当日7,000円 別途1DRINK代600円
問合せ:06-6214-7255
チケット発売:JANUS店頭
       ぴあ(Pコード 248-004)
       ローソン(Lコード53255)
       e+ https://eplus.jp/sf/detail/3908280001-P0030001
       いずれも7月23日(日)〜
http://janusosaka.com/

11月14日(火)
京都 Bonds Rosary
開場18:30 開演19:30
前売6,500円 当日7,000円 +2 order
問合せ:075-285-2859
https://bondsrosary.com/

弥生。

久しぶりにこうしてブログを書こうと思うのも、体と心の冬眠から目覚めつつあるのかなと思うこの頃です。
身体の問題としても、寒さが堪えるのは年々自覚が強くなります。それに加え、年末から2月頭にかけて懸案事項があったため、2月半ばからは少々体調崩してしまいました。

それからも復調出来つつあるのは、春が近づいた事もですが、心身のバランスを取り戻せたからなのかも知れません。心と身体は繋がっており、双方に影響し合うのを身をもって痛感した1月2月でした。

とは言え、これからの人生にとって大切な事の始まりもありました!!
敬愛する作曲家でありピアニストの安田芙充央さんとの2台ピアノによるプロジェクト『凛-RIN-』は、昨年の春からじっくりリハーサルとレコーディング、ミックスを重ね、今年1月25日にプルクワレーベルよりリリースされ、27日のお披露目ライブと共に高い評価を頂きました。

安田さんの作品集である『凛-RIN-』。作品をこよなく愛し聴き続けていたのですが、実際に安田さんとのデュオを経験すると、彼の偉大さや深さ、音楽に対する厳しさを痛感して、自分の未熟さ、小ささを正に突き付けられた様でした。安田芙充央さんはこんな自分をピアノデュオの相手に選んで下さった誇りも折れそうになりましたが、自分は自分にしか出来ない音楽があるはずだと良いwww開き直りで広大な安田ミュージックに飛び込んだのでした。ここが終点ではなく出発点なのだと!!

そしてこの出発点がさらに先へと続いて行くのを示唆する様に、新しいプロジェクトも決まったのです。
ヴォーカリストの吉田美奈子さんとの音楽活動はここ数年でかなり深まったと感じています。今年は大きなバンドである『柊』森俊之(key)石井智大(st)吉野弘志(b)との5人編成ユニット、そして美奈子さんと僕のデュオが中心となる予定でしたが、ここになんと安田芙充央さんとのピアノデュオで吉田美奈子さんと音楽を作って行こうという前代未聞のプロジェクトが誕生しました!!ユニット名も『ECHO』と決まり、5月のBilborad Live YOKOHAMAを皮切りに3つのライブが決定しています。まだリハーサルも始まっていない未知のバンドですが、まさに未知の音が作り出せるのではないかと野望に燃えている3人です。

自分自身の音楽を表現して行くユニットも、『Chamber Music Trio』須川崇志(vc)杉本智和(b)、『Quadrangle』石井智大(vn)水谷浩章(b)池長一美(ds)が二本柱として確固たるものになってきたのも超嬉しい事。オリジナル曲が文字通り「育って行く」のを実感できるのです。これはなかなか感じる事のなかった感覚です。この二つのユニットは本当に楽しく、こういった仲間がいることが幸せでなりません。

準レギュラーバンドとも言える、『12本の弦と5人の男』定村史朗(vn)石井智大(vn)瀬尾高志(b)芳垣安洋(ds)。こちらも僕が音頭を取って始めましたが、もはや誰がリーダーでもない有機体です。ここから『Tales of Another』瀬尾高志(b)芳垣安洋(ds)石井彰(p)というスピンオフ的トリオができたのも昨年の収穫の一つです。

そしてこちらも息の長いユニットになって参りました『Three Wisdoms』小林真由子(箏)定村史朗(vn)。みんなオリジナルをこのバンドの為に作ろうよ!と提案してきたのが実を結びつつあります。この唯一無二の摩訶不思議な編成のユニット、まさに無国籍な音楽を是非聞いて頂きたいものです。

徒然なるままに書き連ねてきましたが、近況報告と決意表明でした。
体調の方はあまり良くなってきてるとは言えず、無理をすると数日間身体が言うこと聞かなくなってしまうのは、病気が進行しているのだなと痛感しています。。。。こういうことに陥らない為にもライブの頻度を大幅に下げて参りますが、まだまだ元気に頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します。

Chamber Music Trio Concert 2022終了しました。

ご報告が遅くなりました。
10月15日、早稲田「スコットホール」にて石井彰(p)須川崇志(vc)杉本智和(b)による、室内楽的Jazz Trio『Chamber Music Trio』のコンサートが行われました。

秋晴れの東京は少し汗ばむ程の陽気。コンサートには最高の天気となりました。
ここスコットホールは100周年を迎えたばかりの歴史的な教会。外の空気感や光も感じられる
素敵なチャペルホールで、ピアノはベヒシュタインがあり、パイプオルガンもある立派な所でした。
音の響きも申し分なく、室内楽にぴったりな自然な残響がありました。

演目は代表作「Silencio」、近年の連作「六月のマリー」「十二月のマリー」「九月のマリー」、アルバム『Boys15』でも取り上げた「葉に萌〜Ha ni Ho〜」、杉本智和(b)作曲「ロザリオ」、1st CDでも演奏した「Dawn」、菊地雅章さんの「Pastel」、アンコールにはコールポーターの「In The Still of The Night」。

沢山のお越しを有り難う御座いました。久しぶりにChamberの大きなコンサートが出来て幸せでした。これからもじっくり取り組んでいきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。

会場には現在よくご一緒させて頂いている大好きなヴォーカリスト吉田美奈子さんも見え、なんと受付でお客様のご案内をしてくださったり僕の足元がおぼつかないのをサポートくださったりと、光栄過ぎたのでありました。本当にいつも気を遣ってくださる優しい女性です。有り難うございました!

このコンサートは株式会社ラルゴ音楽企画が主催して下さいました。多田鏡子さん、お世話になりました。有り難うございます。

そして息子の石井智大、『譚歌チャンネル』でのプロデューサー、撮影、録音、編集を担当しているのですが、今回も録画と編集をしてくれました。有り難う!

それではダイジェストではございますが、当日のコンサートの模様をYouTubeの石井彰のチャンネルにて公開致しましたので、是非ご覧下さい!!

Chamber Music Trio Concert 2022

『Chamber Music Trio』コンサート来月開催します‼️
10月15日(土) 早稲田奉仕園『スコットホール』
18:00開場 18:30開演
Chamber Music Trio
石井彰(p) 須川崇志(vc) 杉本智和(b)
チケット 前売\4,000 当日\4,500
お申し込み お問い合わせ synchronicityakira@gmail.com
ライブ開場での直接販売も致します!

追記:お問合せでの前売りチケットは終了させて頂きます。当日チケットはございますので、
お気軽にお出かけ下さい。よろしくお願いします。(10月14日記)

『Chamber Music Trio』あれこれ。

結成当初。これは偶然の産物だった。ドラムスの替わりにチェロをと須川崇志を誘って、今はなき横浜「KAMOME」でのライブをしたのだった。運悪く当日体調は最悪。這うようにして店に行ったのを鮮明に覚えている。この杉本智和(b)須川崇志(vc)とのセッションの為のオリジナル曲はまだ無かった。既存のオリジナルやカーラ・ブレイの曲などをやったと思う。なんせ意識朦朧として脂汗をかきながらの演奏。。。しかし、これは絶対に続けて行きたい❣️という感覚だけは覚えている。そして、「Chamber Music Trio」と命名し静かに活動を開始した。そしてこの特殊な室内楽的トリオの為に曲を書いていくようになった。

『Chamberと写真』

僕は「Silencio」リリース当時、ヴィジュアルイメージをかなり明確に持っていた。遠藤周作の「沈黙」からインスパイアされて作曲した「Silencio」がこのバンドのための初のオリジナル曲。そしてアルバムタイトルになった。アルバムのジャケットデザイン、ブックレットのミニ写真集に自ら撮った写真を使った。そして、永福町の「sonorium」で行ったコンサートの際には、写真集を作ったのだった。

今度のコンサートには久しぶりに新しい写真集を作ってご来場の皆様にプレゼントしようと思っています。僕からの「イベント割」ってことで😉❣️

『Chamberとオリジナル』

最近このトリオの為に書くオリジナルのインスピレーションは4歳になった愛猫マリーからもらっている🐱1年少し前から1ヶ月に1曲、彼女にまつわる作曲をしようと始めた個人的組曲だ。「一月のマリー」……..「十二月のマリー」。猫のように可愛らしい曲というわけではないのですが。。。表面的な愛らしさもそうだがうちに秘めるミステリアスさ、そしてマリーを通じて愛のうたを作っている。
全てこのトリオの為でなく自分のバンド、関わるバンドで演奏してみている。弦楽器にぴったりだなと思う曲ができるとChamberとQuadrangleで演奏しているのだ。

『Chamber Music Trio』あれこれ。

須川崇志(vc)と杉本智和(b)。この二人の素晴らしいミュージシャンと室内楽的トリオを組むことはチャレンジだ。須川崇志はもちろんベーシストとして活躍している。彼にベースがいるバンドでチェロを弾いてくださいとお願いするのは少し躊躇したが、このアイディアを実現するには彼にチェロでインプロバイザーとして参加してもらう以外になかった。彼との出会いは日野皓正バンドに参加した時。ドラムの田中徳崇と共に一気に若返ったリズムセクションに。その後、A.T.Mというインプロトリオもあったが今は休止中。僕が言うのも何だが、彼のチェロはトリオ発足時から格段に凄みを増していると思う。

杉本智和(b)とは、かれこれ4半世紀の付き合いだ。若かりし頃、三木俊雄(ts)率いるフロントページオーケストラというバンドで一緒になりちょくちょく演奏するようになった。そして江藤良人(ds)とのトリオを結成し現在に至るまで共演歴は継続中。須川崇志(vc)の後のベーシストとして日野皓正クインテットでの共演も僕が退団するまで続いた。彼の独特でセクシーな(あえてこの表現)プレイが大好きでよく気があった。そしてダンスするかのような音にうきうきしながらプレイする自分がいる。
彼もまた寺社仏閣巡り、仏像愛好という共通の趣味で一緒に寺巡りであーだこーだ言うのもまた楽しい。

⭐︎チェロ、コントラバス、そしてピアノが織りなす独自の音世界。結成7年ー 「Silencio〜静寂」という作品を発表後、新しい作品は無いが、近年の内的変容、発展は凄まじいものがあると思う。ほぼこのトリオの為に書かれたオリジナル曲を演奏する室内楽的トリオ。
今回の会場は早稲田大学にほど近い所にあるチャペル。100年の歴史がある荘厳な教会でのChamber Music Trioの音を是非感じて頂きたいと思います。
https://www.hoshien.or.jp/seminar/scotthall.html