「タローネ」と読む。イタリアの伝説的な調律師だ。名ピアニスト、ミケランジェリの調律をずっと担当していたり、ヤマハが初めてグランドピアノを作ろうとした時に招待され助言をしたりした人だ。
彼自身が、いろいろなメーカーのピアノを知り尽くした上で、さらに自分の理想のピアノを求めて妥協の無いピアノを作ってしまった。それが、幻のピアノ「TALLONE」だ。
以前、ひょんな事からお邪魔した、大阪吹田市にある「うたまくら」というピアノ工房の調律師の荒木さんからメールが届き、「面白いピアノが入りましたから、是非弾きにきてください。」とのこと。
18日は日野バンドはオフで音大の授業が3時過ぎからあるので、お昼頃に訪ねていくことに。
工房とレッスン室を兼ねた部屋には、でーんとタローネの180cmのグランドが鎮座している。落ち着いた木目調。他にもアップライトの「グロトリアン」「スタインウエイ」「ベヒシュタイン」、とても古い「ヤマハ」など、素晴らしい状態のものばかり置いてある。おっと、思わず涎が。。。。。
さっそく弾いてみる。第一印象は「弾きやすい!」
強烈な個性は無いのだが全てにおいて心地よい。音色は力強いが滑らか、飽きが来ない感じ、反応も早い、手の向こう側の弦が鳴るというよりは体に入り込んでくる感じ。「ベーゼンドルファー」のように凄いピアノを弾いている感じでこちらも構えてしまうことなく、あくまで自然に普段着のように心地よい。要するにストレスをまったく感じさせないのだ。これは地味だが凄いことだ。流石に、楽器としてのピアノと弾き手を結びつける事に目標を置いているであろう「調律師」の目指すところであったのではないだろうか?!
随所に見られる工夫がある。響版が丸く太鼓のような形に段が付けて丁寧に削られていたり、3本の弦の張り方が1本は独立、2本は折り返しになっている(普通は2本ずつ折り返しで隣り合う音と共有する1本がある。また全ての弦が独立している場合もある)ので、隣の音との干渉が無い。響版を支える駒の部分に薄く細長い穴や鍵穴のようなものが開いているのもバイオリンの駒の穴からヒントを得ているらしい。
とにかく、短時間でしたが、またとない経験をさせてもらいました!!幸せ!!ありがとうございました。
関西にお住まいで興味がある方は是非足を運んでみてはいかがでしょうか?
はじめまして。
昔ピアノを習っていた懐かしさから
コメントいたしました。
調律師の作ったピアノ、初めて知りました。
あたたかな色味はボディだけではなく作り手の心も
そうなのかしらと、石井さんの文面から感じました。
来週27日の大森でのステージを聞きに行こうと計画中です。
楽しみにしています^^
響板の縁を削っているのは、クラウンと呼ばれている弦の圧力に対向するための反りを作り易くし、響板を振動させやすくするために施されているもので、メンブラートシステムとも言い、ザイラーピアノには全て採用されています。
また、駒の途中で穴が明いているのは、無垢材で出来た駒が反るのを防ぎ、しなりを作るための技術で、オールドの名の通ったピアノではほとんどのピアノに使われている技術です。
omさん、ありがとうございました。タローネさん、頑固で妥協をゆるさない、しかし暖かい思いやりを持った人だったんではないでしょうか?(想像)大森でお待ちしていますよ!
白川さんお久しぶりです。ありがとうございます。なるほどなるほど、勉強になります。白川さんはタローネ見たことありますか?
イタリア語で書かれているタローネの伝記があります。
これを読んだときに技術的なことが書かれているのだろうとわくわくしていたところ、中身は技術のことはほとんどありませんでした。
内容は家族の愛、人間愛、そして宇宙。技術者がよく陥るここのこういう技術が凄いんだーというものとは無縁のような気がします。
ピアノはあくまでも音楽を奏でる一つの道具にすぎず、ピアノがピアノで終わらず芸術の中の、生活の中の一つということを言っています。
そして何より、弾き手が満足すること。
石井さん、また遊びにいらしてください。
荒木さん、どうもお世話になりました。ありがとうございます。タローネさんはそういう人だったんですね。分かるような気がします。また是非遊びに行きます!