またもや偉大な音楽が逝ってしまった。
Paul Motian ポールモチアン。ドラマー、享年80歳。おととい22日にマンハッタンで白血病で亡くなりました。
まず筆頭に挙るのが、Bill Evansの初期のトリオだろう。Scott Lafaroと共に作った4枚のアルバム。これしか、このメンバーのアルバムは無いのだが(海賊版、コンプリート盤などは除く)、そこに凝縮されたエッセンスは今聴いても色あせることがない。ジャズを始めたばかりの頃、何度聴いたか判らない。
70年代はKeith Jarrettのアメリカンカルテットだろう。多分にフリーで思索的、情緒に溢れたグループ。これも大好きなバンド。メンバーの個性が際立つ、
Paul Bley,Carla Bleyとの共演も多く、素晴らしい作品が目白押しなのだが、実は一番多いのは自分のリーダーアルバム。トリオ、カルテットのみならず、複数のギタリスト、サックスを加えて実験的なサウンドを試みたり、いくつものユニットを結成し、オリジナル曲を演奏した。少々難解なメロディが多かったが、どれも味わい深い作品だ。
もう20年以上前に、ニューヨークの「ビジョネス」というクラブ(今は無い)でBill Frisell(gt),Joe Lovano(ts)とのトリオを聴いたのだが、ベーシストがいないスペースに漂うようにパルスを叩き出し、3人がもつれ合うように音楽を奏でている様を聴いて衝撃を受けた。素晴らしかった!!それからというものの、彼の作品を漁るように聴き、たまにライブで曲を取り上げたりしていた。
そしてやはりこのトリオ!Tetherd Moon。菊地雅章、Gary Peacockからなるピアノトリオは私の究極の憧れだった。これがもう聴けないのが残念すぎて悔しい。美の境地の音楽。
プーさんも悲しんでいる。一度『Counter Current』というアルバムで共演した日野さんも悲しんでいた。世界中のどれだけのミュージシャンが彼の死を惜しんでいるのだろう。もちろんリスナーもだが、これほどまでにミュージシャンからの尊敬の念を集められるということは凄いことだ。これは、彼が死ぬまで自分の音楽というものを信じ、表現し続け、大きな愛を持って演奏してきたからに他ならない。見習うべきだと思う。
偉大な音楽家、芸術家のPaul Motianさんのご冥福を祈ります。