彰の気まぐれ日記:Akira Note

ピアノ復活!!

自宅のピアノ「Bechstein 7」が約一ヶ月ぶりに戻ってきた!!

朝9時から、業者の方によるピアノ入れ替え作業。代わりのピアノが入っていたので、まずそれを搬出後、ベヒを運び込むのだ。まず、防音室のドアをはずす作業から入る。グランドピアノは足をはずしてしまえば厚みだけなのでそれほど手間はかからないのだが、アップライトの場合、鍵盤部の幅がかなりあるのでぎりぎりで微妙なのだ。実際、ベヒは幅が大きすぎて鍵盤部は取り外して搬出したのだった。ピアノ運送のプロは本当に手際がよくて頼りになります。ピアノの事と家の壁などを考慮に入れて素早くピアノを運び出す。

久しぶりに帰ってきたベヒシュタインはさすがに貫禄がある。しばらく小さいサイズがあって慣れてしまったので、改めてその大きさに圧倒される。現代のピアノは高くて130cmぐらいなので140cmのピアノは巨大な壁のようだ。

寒い外を運ばれて温度の高い部屋に入ったので、たちまち結露がピアノを襲う!急いで組み立てて、環境に慣らすために、除湿機全開でクーラーを21℃に保ち、1時間そっとしておきましょうということになった。結露をそのままにしておくとあっという間に弦が錆びてしまうからだ。

1時間後「ユーロピアノ」の技術者の加藤正人氏と女性アシスタント技術者の村野さんが作業を開始する。加藤さんはドイツのピアノマイスターの資格を取得されており、以前ユーロピアノにおけるセミナーに参加した際にお話されていて、その後個人的に自分の楽器についての悩みを相談したところ、我が家にピアノを診断に来てくださったのだった。そのセミナーの時から、その静かな口調の裏のピアノに対する深い愛情を感じていた私は、この人に任そうと思ったのだった。楽器を入手した流通ピアノさんには悪いが、これは仕方がない。加藤さんも診断の際に「物もいいと思うし、修理も丁寧。だが、弦の取替えが中途半端なのと整調整音がいまひとつ。」と思っていたことをズバリと言ってくださったので、とてもすっきりしてお願いすることにしたのだった。

まずは整調作業から。鍵盤の微妙な深さの調節、ハンマーの細かい部品の交換、アルコールランプを使ってのハンマーの微妙な曲がりの修正などなど。非常に繊細な作業だ!ピアノも喜んでいるようだ。なんせ製造から102年経っているのだ。人間ならとっくに死んでいる。しかし木は生きているのだ!こうやって消耗部品を交換してやってがたついた部分を丁寧に直せばまだまだ使えるのだ。というか、今のピアノには無い枯れた、というか熟成した豊潤な響きを出すのだ。人間も一緒だなあ。。。。

そして何度も調律をしながら、整音作業。ハンマーを削ったり針を刺したりして音色を整えていく。これがマジックなんだなあ。羊毛を固めたハンマーの肩の部分に針を刺すと音色を変化させていくのだ。不思議だなあ。人間も針治療をするか!?なるほど、ピアノのツボなんだとか思ったり。

こういった作業を間近に見るのはホント楽しい!ピアノに対する愛情も深まるし、しくみを知ることによって楽器を弾くときに、より親近感を覚えるに違いない。

作業は延々と6時まで続いてやっと終わる。弾いてみてビックリ!!まさに上品にクリアに生まれ変わったのだ!もちろん弾き心地もしっかりしている。まさに、このベヒシュタインが本来持っている力を十分に発揮してくれたような無駄の無い力強さが備わったのだった!

今日のこの作業をしてくださった加藤さんと村野さんに感謝いたします(写真は加藤正人氏と村野さん)m(_ _)mありがとうございました!

その後、六本木アルフィーに飛んでいく。3日間続いた「北浪良佳」とのライブ最終日なのだ。代々木NARU、GRECOと素晴らしい歌声を聞かせてくれた彼女は、今日はベースに安田幸司を入れたトリオでさらに実験的に積極的に歌う。彼女の師匠の「伊藤君子さん」も聞きにいらしていて、どれだけ彼女が期待されているのかも窺い知れるところだ。今後の活躍を大いに期待したいです!

今月26日には兵庫県立美術館において、北浪良佳のコンサートが行われます。もちろん私も共演させていただく予定です。皆様、是非聞きにいらしてくださいね!

4 comments on “ピアノ復活!!”

  1. えーこ 2006年11月19日 11:49 PM

    うわー、良佳さんの師匠って、伊藤君子さんだったんですね〜!(知らなくてごめんなさい)
    美術館でのライブって素敵!

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  2. kayoko 2006年11月19日 11:59 PM

    石井さんのこの日記のおかげでピアノの種類などにも興味を持つようになりました。ピアノ戻ってきて良かったですね♪
    ところで、Scene of Jazzの「秋」バージョン聴いてます!石井さんのピアノが「夏」の時と違ってます。録音の仕方なのでしょうか?とても瑞々しくとてもアコースティックな音がします。秋のひんやりした朝の空気にピッタリ!本当に素敵なピアノ。とても素敵なトリオ演奏です♪そういえが、冬ももうすぐ出ますね!

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  3. Wisteria 2006年11月21日 12:17 AM

    以前の白川ピアノ調律所の日記に引き続き、今回の日記を興味深く読ませていただきました!
    あのフェルトみたいな所に針を刺すと音色が変わるなんて、不思議ですね。

    職人さんの作業を見ているのって、楽しいですよね!
    そして、ピアノ弾き職人(=石井さん)のソロライブが来月あるのを発見してしまいました。
    どんな感じなのか気になります・・・

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  4. 石井彰 2006年11月23日 3:23 AM

    えーこさん、ありがとうございます。そうなんですよ!伊藤さんも良佳さんのことは高く買ってるご様子です。よかったら神戸いらしてくださいね!

    kayokoさん、ありがとうございます。夏と秋はエンジニアが違います。よく解りましたね!?冬は12/6に発売です。そして来年1/30にはSTB139で発売記念ライブですよお!!

    Wisteriaさん、ありがとうございます。そうですよね、職人さん達素晴らしいし、いつも感謝しています。我々はピアノ職人さん無しでは生きて行けないんです!少しでも自分でピアノの構造や、歴史を知っていけるよう勉強します。

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